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20歳をすぎたころ、韓国軍人の男性と結婚しますが、二人とも仕事が忙しく徐々に別居状態に。離婚し日本に戻った40代の麻未さんを待っていたのは母の死、そしてその後に直面した自らのガンでした。「手術して子宮と卵巣を摘出して。母を亡くした後だったからキツかったわねぇ。でも、手術後はすっかり元気になりましたよ」。
日本では韓国語の通訳などとして活躍、東京・下高井戸に友人と共に食事処を開こうという話になったのは60歳を過ぎた頃でした。ところが準備期間にまたしてもトラブル発生。共同経営者のはずだった友人が、開店前に資金を持って姿を消したのです。「私ってすぐ人を信用しちゃう。そういう詐欺まがいのことには何度か遭いましたね」。
それでもメゲてはいられません。韓国で覚えた料理は自分の生き甲斐にもなると、再度スタッフを募集し、1995年に「おばちゃんの台所」を開店させました。韓国料理といえばキムチと焼肉しか知られていなかった頃、チヂミとチゲ鍋が好評を博し、常連客でにぎわう人気店に。数年後、地上げの波に遭い残念ながら閉店しますが、「今でも街を歩くと、若い子たちに『おばちゃんの料理、また食べたいよ!』って声かけられるの。それがうれしくて、短い間でも店をやってよかったなぁと思います」とポジティブな麻未さんです。
今は愛犬と一緒におだやかに暮らす日々。家族はいませんが、今も交流があるかつての常連客たちは息子や娘のような存在で、ときには悩みの相談に乗ることもあるそう。あらゆる逆境に打ち勝ってきたオモニ(母)・麻未さんの言葉は、若者たちの心にずっしりと響いていることでしょう。 |
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| 白身魚でだしをとって、たっぷりの野菜をキムチをコチュジャンと一味唐辛子入りのスープで煮込むチゲ鍋。「韓国では定番の鍋料理で、うちの店でも一番人気だったんです。冬はもちろんだけど、スタミナ満点で元気が出るって暑い夏にも大人気で。ご飯と一緒に食べるお客さんで、お店が満員の日もよくあったわね。野菜はなんでもたくさん入れたほうが旨みが出ておいしいし、白身魚の代わりにお好みで豚肉やイカ、海老を使ってもいいわね。自由にアレンジできるのもチゲの魅力なんですよ」。 |
| 構成/松田優子 撮影/堀智明 取材・文/水野成美、小手森真弓
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