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坂本美雨のPhotoエッセイ
TOKYO 徒然草

アーティスト坂本美雨が、東京、ニューヨーク、
世界のさまざまな空の下で感じ考えたことを、徒然なるままに綴ります。

第3回 コーイチとジュンコと、12歳の私。大好きな、大切な人たちのこと。


コーイチとジュンコに憧れていた子供は多かった。
子供の頃ニューヨークで知り合い、家族ぐるみで仲良しだった人達。9歳で引っ越した時から私は、スポーツマンで車の運転が巧い(というかその時代はスピード狂だったような…)、11歳年上のコーイチに憧れ、清楚で賢いジュンコは私の兄の世代の男の子達の憧れだったような気がする。
そんな年下のみんなが大好きだった、お似合いのお兄さんとお姉さんが結婚した。ビジネスマンであるコーイチ夫婦はNYから引っ越してしばらく日本に住み、今は転勤しLAに住んでいる。『コーイチは3年ごとに住む国を変えるのが好きなの』と、ジュンコは言う。引っ越しが多い家庭で育った者同士・・・・・・。


  手元に虹がやってきた。
大きなアンティークショップの中にあるカフェにて。
 

  ジムの帰り。近所を自転車で突っ走る!
こんな私だって光合成しなければ。
 

ある日、事務所でちょっとヘヴィーな打ち合わせを終え、ほふーっと息をして携帯をみると、ジュンコから留守電が入っている。さすが夫婦、息もぴったりに数分後にコーイチからも留守電が。二人一緒に日本に帰国しているなんて珍しい。電話すると、二人がLAに帰るまでにスケジュールが合う時がなかなかなかったので、『じゃあ明日、朝ご飯を食べよう!』ということになる。次の日、かれらが泊まっているWESTIN HOTELで、美味しいフレンチトーストの朝ご飯を食べた。

二人に会うと私はいっきに本来の12歳になれる。本来の、という言葉を使うのも変だけれど、私はいつも自分で自分のことを12歳くらいにしか思ってないなぁ・・・・・・と感じるのだ。5歳上の実の兄が17歳くらいで、その年代に混ぜてもらって遊ぶ。当然私はその中の一番末っ子で、たまに大人ぶりながらも安心して自由に振る舞ってる・・・・・・。

センチメンタルな気持ちにはならないが、あの頃が一番安定していたように思う。頭の中が奇妙に大人びた子供だったから、12歳で17歳くらいのことを考えつつも、子供として様々なことを吸収でき、お兄さんお姉さんに甘えるだけ甘え、総合的にバランスが取れていたように思う。その"妹体質"は今でもなかなか直らない。血の繋がらないお兄さんお姉さんたちにベタベタとくっついて甘えることを許されていた、そのくらいの時期はとても楽しかったように思う。

  渋谷の真ん中とは思えないでしょう。信頼しているエステのバルコニー。ヒミツにしておきたくなる憩いの場所です。  

  そのバルコニーから東京の空を見ていると、空気汚くないよ、山だって見えるよ、教えてあげたくなります。  
十代半ばになって、ジュンコの妹のレイコと大親友になった。
4歳上のレイコは美人でかっこいい人だ。漆黒のストレートヘアが美しい、聡明で繊細な女性だ。彼女の筋の通ったセンスや感覚をものすごく信頼したし、とにかく気が合った(今思えば4歳年下の私にがんばって合わせてくれていたところも多分にあったと思うけれど)。
しかし数年前から、仲違いをしたわけではないけれど、ワケあって徐々に会わなくなってしまった。彼女はいつのまにか新しい職を見つけ違う州へ引っ越して、私は東京での仕事が多くなって、距離が遠くなった。

メールを一通出せばいいのだろうけど、出せば明日からでもまた大親友に戻るのかもしれないけれど、語ることが多すぎてメールなんてとても追いつかない。無難な手段はふさわしくない、そんな気さえしてしまう。
大好きなジュンコとコーイチとたっぷり2時間話し、やっぱり私は二人と、今はここにいないレイコのことが大好きだなぁと思った。変わらない自分と、変わらない価値観。ずっと見守ってくれる人がいる。

矢野顕子/ホントのきもち 今月の一枚 矢野顕子/ホントのきもち 品番:YCCW-10009
矢野顕子という母がいます。『ホントのきもち』はくるりの岸田くんやレイ・ハラカミさんと共演した素晴らしい一枚。初めての公式ファンクラブ『thegathering』オープンしたようです(隣にいるのは映画『ベルヴィル・ランデブー』のブルーノ)。

矢野顕子オフィシャルサイト
http://www.akikoyano.com
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プロフィール
80年生まれ。9歳の時、家族でニューヨークに移住。97年1月、Ryuichi Sakamoto featuring Sister M名義でデビ ュー。99年、本名で本格的に音楽活動を開始し、映画「鉄道員」の主題歌、そしてフルアルバム「DAWN PINK」をリリース。

現在、音楽活動に加え、連載や映画評などの執筆、翻訳、J-waveのナビゲーター、TVのナレーション、ジュエリー・ブランド「aquadrops」のプロデュースなど創作の幅を拡げ、日本/NYを行き来しながら猫と一緒に音楽漬けの生活をしている。

オフィシャルサイトでも、文章や写真を日々更新しています! http://www.miuskmt.com/

坂本美雨さんへのメッセージをお待ちしています!



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